日頃私がロゴマークをデザインする際に、自問し続け、そして大切にしている考え方があります。
それは、「そのロゴマークは会社/企業を引き上げることができるか」ということです。


目次

  1. ロゴマークが会社を引き上げる
  2. お店のロゴマークの考え方
  3. まとめ

1.ロゴマークが会社を引き上げる

ロゴマークは、企業の現在を映す鏡ではありません。未来を創るものです。

ロゴマークをデザインする際に、オフィスはどのような雰囲気か、事業は何か、従業員はどんな人柄か、をリサーチすることは本質的ではありません。このようなリサーチでは、企業の「今」をデザインすることしかできないからです。

ロゴマークは企業の「在るべき姿」でなければいけません。

企業には、50年後・100年後に成し遂げたいビジョンがあります。しかし、そのビジョンと現在には少なからず乖離があるはずです。将来的には、従業員数もオフィスの広さも何倍にもなり、事業内容も変わっているかもしれません。そのことを考えれば、企業の「今」をロゴマークのデザインに落とし込むことが、いかに本質的でないかが分かっていただけるかと思います。

例えば、雑居ビルに1人で設立した会社があるとします。この会社に崇高で美しくかっこいいロゴマークを提案させていただいたとしたら、「まだまだ小さい会社で荷が重すぎます。もう少し普遍的なデザインがいい」と言われてしまうかもしれません。

しかし、その考え方は間違っています。ロゴマークは、会社の「今」を反映するものではないからです。たった今、「この会社にこのロゴは似合わない」と周りに思われても全く問題ありません。むしろそうあるべきです。重要なのは、未来です。今は似合わないかもしれないそのロゴを掲げ続けることで、このロゴが企業をその位置まで引き上げる存在となってくれるのです。そして、企業がロゴに追いついていきます。

これがロゴマークの理想的な考えであり、そんなデザインがしたいと、私は常に思っています。

ここまでは企業、会社の話です。

2.お店のロゴマークの考え方

ではお店の場合はどうでしょうか。レストラン、歯医者、カフェ、薬局、etc,,,。

少し話は変わりますが、「目的来店」「衝動(機会)来店」という言葉をご存知でしょうか。

目的来店とは、そのお店に意図をもって目指し、動機をもって来店すること。
衝動来店とは、強い動機はなく、たまたま通りがかったついでに来店すること。

これらの違いがお店によって生まれるのはもちろんですが、業態によって異なるケースもあります。

最もわかりやすい例が歯医者です。歯医者は利用者のほぼ全てが目的来店によるものです。買い物中に、たまたま通りがかった歯医者にふらっと立ち寄るということは、まずあり得ません。「歯医者に行こう」と意思をもって、歯医者に向かうのです。

では皆さん、急に歯が痛くなり、かかりつけの歯医者がない場合、どのように歯医者を探しますか?「そういえば駅前に歯医者があったな」と思い出し、スマホで口コミを見てみる、なんて経験はないでしょうか。ここが重要なポイントです。

歯医者は常に、道ゆく人々に対して「わたしは歯医者です」「ここに歯医者があります」ということを発信し続けることが大切です。そうすることで、人々の頭の引き出しにストックされ、必要なタイミングで取り出してもらえるのです。

話をロゴマークに戻します。歯医者を歯医者だと認知させる可能性を高くするためには、どのようなデザインのロゴが良いでしょうか。それは「歯のマーク」です。

歯のマークを見れば、ほぼ全ての人が歯医者だと認識できるはずです。なので、定石として、歯医者のロゴマークは歯のマークが理想です。街中に歯のマークを掲げた歯医者が多いのには、論理的な理由があるのです。


これが、企業のロゴマークとの大きな違いです。

歯医者のロゴマークに、ビジョンや使命、崇高な想いを反映することは最優先事項ではありません。業態を表現することが最も大切なことです。

つまり、企業のロゴマークとお店のロゴマークの最も大きな違いは、業態を示すか否か、という点です。

誤解のないように言い換えると、企業ロゴは業態を示す必要性が低い(本質的ではない)、お店のロゴは業態を示すことが重要なケースがある、というところでしょうか。

では、お店のロゴで、業態を示さないケースはどのようなものがあるでしょうか。例えば、流行に敏感な若者をターゲットとした、おしゃれなカフェの場合。コーヒーカップやコーヒー豆をデザインしたロゴマークを掲げているお店は少ないかと思います。

最近は時代の流れか、アルファベットのロゴタイプのみ、というお店も増えている印象です。


UnsplashKristaps Grundsteinsが撮影した写真

カフェの場合、事前にSNSなどで調べる「目的来店」のお客さんが多いでしょうか。
場所もGoogle mapで確認しながら行けるので、サインを大きく掲げる必要もありません。

つまり、ロゴマークで業態を示すメリットはあまり大きくなく、ロゴマークを含め、内装などのデザインやSNSなどで、しっかりブランディングをすることのメリットの方が圧倒的に大きいのです。

3.まとめ

ロゴマークをデザインする際に大切にすべきポイントが、会社とお店で異なるということが分かっていただけたでしょうか。

上でお伝えした歯医者のケース、クリエイティブな視点で見ると、「歯のマーク」は決して美しいものではないかもしれません。しかし、「集客」「マーケティング」の視点で考えれば、最適だと考えられます。

一方で、企業の場合は「美しさ」が非常に重要です。企業の目指すところ、理念・ビジョンはとても美しく崇高なものです。企業を引き上げるべく存在のロゴマークも、同時に美しくある必要があります。決して「集客」「マーケティング」の視点で語られるべきものではないのです。

皆様の会社、お店のロゴマークはデザインで何を表現していますでしょうか。このような視点で見ていただけると面白いかもしれません。


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